NLP若手の会 (YANS) 第17回シンポジウム 開催報告

2022年8月29日(月)、30日(火)にNLP若手の会第17回シンポジウム(YANS2022)を開催しました。 今年も昨年に引き続き新型コロナウイルス感染症の影響でオンライン開催となりましたが、265名(学生168名、社会人97名)の参加登録と、68件の発表(学生57件、社会人11件)がありました。 株式会社サイバーエージェント様、株式会社PKSHA Technology様、ファーストアカウンティング株式会社様、アマゾンウェブサービスジャパン合同会社様の4企業によるスポンサー支援があり盛況でした。ご参加いただいた皆様、ご支援いただいた皆様、どうもありがとうございました。

本シンポジウムでは、優秀な研究発表に対して奨励賞、スポンサー賞を授与しました。奨励賞はこれから始まる、または始まったばかりの研究を奨励することを主旨とするものであり、現時点の研究の完成度よりもアイデアの面白さ、及び新規性や発展性への期待を重視します。奨励賞の選考は参加者による投票をもとに、最終的には表彰担当者による合議によって10件を選出しました。スポンサー賞は産学交流の一環として各スポンサー独自の視点から受賞者を選出していただきました。いずれの賞も受賞者は筆頭著者のみとなります。

今年も昨年同様チュートリアルを企画し、同志社大学の桂井麻里衣氏に「学術情報検索と推薦」について、名古屋大学の東中竜一郎氏に「対話システムのすすめ」についてご講演いただきました。 また、活躍する若手研究者にご自身の研究について紹介していただく招待セッションを新たに設け、 Microsoftの江里口瑛子氏より「多言語機械翻訳モデルにおける、X-Y方向の翻訳性能改善」、 Megagon Labsの磯颯氏より「Opinion Summarization from Customer Reviews」、 産業技術総合研究所の渡邉研斗氏より「歌詞情報処理という新分野を立ち上げるまで 〜 我儘(?)に研究してきた一人の研究者の例」、 奈良先端科学技術大学院大学の上垣外英剛氏より「自然言語処理における負例サンプリング損失の進展」 という題でそれぞれご講演いただきました。

研究発表に先立ちハッカソンも行われました。今年は、アマゾンウェブサービスジャパン合同会社様よりデータセットと計算機環境をご提供いただき、特定の評価指標を用いたコンペティション形式で開催しました。 13日間のコンペ期間に、Amazon Customer Review Datasetを用いた「商品レビューの役に立つ投票数ランキング」タスクに5チームが取り組みました。シンポジウムのクロージングで最終成果発表を行い、最終評価スコア1位表彰に加えて、アマゾンウェブサービスジャパン合同会社様よりApplied Scientist賞が贈られました。

受賞者

奨励賞

  • [P1-5] 早押しクイズにおける予測処理: 機械の言語処理と人間の言語処理と
    ○山下陽一郎(東大),原田宥都(東大),大関洋平(東大)
  • [P1-6] 言語モデルの第二言語獲得効率
    ○大羽未悠(NAIST),栗林樹生(東北大/Langsmith),大内啓樹(NAIST/理研),渡辺太郎(NAIST)
  • [P1-8] kNN機械翻訳のためのTransformerデコーダ最終層の中間表現の可視化・統計的分析
    ○西田悠人(NAIST),出口祥之(NAIST/NICT),上垣外英剛(NAIST),渡辺太郎(NAIST)
  • [P2-4] 原文に対して補完的な画像はMMTモデルの翻訳精度を向上させるのか
    ○佐藤郁子(都立大),平澤寅庄(都立大),金輝燦(都立大),岡照晃(都立大),小町守(都立大)
  • [P2-8] BERTを用いた文埋め込みモデルによる単語の暗黙的な重み付け
    ○栗田宙人(東北大),小林悟郎(東北大),横井祥(東北大/理研),乾健太郎(東北大/理研)
  • [P3-1] 対照学習による文体に特化した文ベクトルの獲得
    ○銭本友樹(筑波大),宇津呂武仁(筑波大)
  • [P3-2] ニュース用語を含むヒント付きクロスワードパズルの自動生成
    ○馬嶋海斗(東工大),石原祥太郎(日経新聞)
  • [P3-8] Transformerにおけるフィードフォワードネットの混ぜ合わせ作用
    ○小林悟郎(東北大),栗林樹生(東北大/Langsmith),横井祥(東北大/理研),乾健太郎(東北大/理研)
  • [P4-4] Causal言語モデルによる機械翻訳
    ○木山朔(都立大),金輝燦(都立大),平澤寅庄(都立大),岡照晃(都立大),小町守(都立大)
  • [P4-10] 視覚情報は言語モデルに人間らしい統語的汎化を促すか
    ○栗林樹生(東北大/Langsmith)

スポンサー賞

サイバーエージェント賞

  • [P3-1] 対照学習による文体に特化した文ベクトルの獲得
    ○銭本友樹(筑波大),宇津呂武仁(筑波大)

PKSHA Technology賞

  • [P2-8] BERTを用いた文埋め込みモデルによる単語の暗黙的な重み付け
    ○栗田宙人(東北大),小林悟郎(東北大),横井祥(東北大/理研),乾健太郎(東北大/理研)

ハッカソン賞

最終評価スコア1位

  • Natural(チームA)LightGBM のランク学習による商品レビュー評価
    梶川怜恩(愛媛大学),鈴木刀磨(東北大学),二宮大空(サイバーエージェント),石原祥太郎(日本経済新聞社)

Applied Scientist賞

  • Natural(チームA)LightGBM のランク学習による商品レビュー評価
    梶川怜恩(愛媛大学),鈴木刀磨(東北大学),二宮大空(サイバーエージェント),石原祥太郎(日本経済新聞社)

スライドなど

オープニング・クロージング

docs.google.com

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チュートリアル

桂井 麻里衣 氏(同志社大学理工学部):「学術情報検索と推薦」

speakerdeck.com

東中 竜一郎 氏(名古屋大学大学院情報学研究科): 「対話システムのすすめ」

speakerdeck.com

招待セッション

江里口 瑛子 氏(Microsoft): 「多言語機械翻訳モデルにおける、X-Y方向の翻訳性能改善」

drive.google.com

磯 颯 氏(Megagon Labs):「Opinion Summarization from Customer Reviews」

https://isomap.github.io/slides/2022-yans-invited.pdf

渡邉 研斗 氏(産業技術総合研究所):「歌詞情報処理という新分野を立ち上げるまで 〜 我儘(?)に研究してきた一人の研究者の例」

drive.google.com

上垣外 英剛 氏(奈良先端科学技術大学院大学 情報科学領域):「自然言語処理における負例サンプリング損失の進展」

drive.google.com

ハッカソン

ハッカソンについて

yans.anlp.jp

ハッカソン成果報告・表彰

drive.google.com

チーム発表

シンポジウムの様子

昨年と同様に、今年の様子を画像とグラフでお伝えします。

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ポスターセッションの様子

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スポンサーブースの様子

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学生の割合は6割強でした
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B4とM1の発表が過半数を占めました
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発表申込は締切前に急激に伸びました!
直前期間 (8/19-8/26) の参加申込はわずかでした
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今年は学生の参加が過去最高となりました!
2020年の参加費無料開催を除いて、参加登録数は順調に増加しています
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発表件数は昨年と同程度でした