第20回言語処理若手シンポジウム(YANS2025) プログラム概要

更新履歴

  • チュートリアルの情報を公開しました(2025/06/25)new!
  • ハッカソンの情報を公開しました(2025/06/25)new!
  • プログラム概要を公開しました(2025/06/03)

プログラム概要

下記プログラムは変更になる場合がございますのでご了承ください.

シンポジウム1日目: 9/17(水)

  • ハッカソン
    • 昨年に引き続きシンポジウム1日目の 9月17日(水)に分野交流ハッカソンを行います.自然言語処理の周辺分野(画像・音声処理など)をはじめ,人文・社会学分野も含めた幅広い分野の学生・社会人の交流を促進することが目的のひとつです.また,関連が薄くとも,自然言語処理に興味がある方も同様です.これを機に「自然言語処理に触れてみたい」「自然言語処理の若手研究者と交流してみたい」という方を広く募集します.
      第20回言語処理若手シンポジウム(YANS2025) 分野交流ハッカソン

シンポジウム2日目: 9/18(木)

  • チュートリアル(1)「自然言語処理エンジニアのリアル:プロダクト開発の挑戦と発見」

講演者: 工藤 拓 氏 (グーグル合同会社)
概要: 本講演では、長年にわたり自然言語処理(NLP)の研究者、そしてソフトウェアエンジニアとして経験してきたことを、ざっくばらんにお話しします。 これまで約20年にわたり、全文検索のトークナイゼーション、多言語スペルチェッカー、日本語入力システム、機械翻訳、音声合成といった様々なNLP応用ソフトウェアの開発に携わってきました。ユーザーからの生のフィードバックに触れる中で、プロダクトについて深く考える機会を多くいただきました。各プロダクトで直面した課題、そしてそこから見えてきた興味深い点や考察について、できる限りご紹介したいと思います。 これから自然言語処理の分野でキャリアを築かれる方、あるいは現在この分野でご活躍されており、さらなる知識の深化を志す方々にとって、本講演の経験談が何らかのヒントや示唆となれば嬉しく思います。自然言語処理の奥深さ、そしてそれが社会に貢献し得る可能性を、共に考えていきましょう。
略歴: グーグル合同会社 ソフトウェアエンジニア。京都大学工学部電気電子工学科卒業、奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士後期課程修了、NTTコミュニケーション科学基礎研究所リサーチアソシエイトを経て現職。専門は統計的自然言語処理、機械学習、データマイニング。オープンソース形態素解析システムMeCabの開発者。現在、機械翻訳、日本語入力システム、スペルチェッカー、音声合成等の言語処理システムの研究開発に従事。著書に「形態素解析の理論と実装」近代科学社

  • 一般発表

  • スポンサーセッション

    • スポンサーの企業/団体における自然言語処理や関連分野の技術の活用事例などについてご紹介いただきます.
  • ラウンドテーブル

    • 参加者同士が少人数で語り合う企画です.研究やキャリアに関して関心のあるテーマを選んでいただき,それに基づいてグループを編成します.
  • ナイトセッション

    • 所属や分野を超えて,縦と横のつながりを広げる交流の場です.立食形式で軽食を片手に,同世代の仲間と語り合い,憧れの研究者と直接話す機会を用意しています.
  • スポンサーツアー

    • 参加者にスポンサーのことをよりよく知ってもらうため,会期中に「スポンサーツアー」を開催します.このツアーでは,シンポジウムの参加者からツアーへの参加希望を募り,委員が案内役となって各スポンサーブースを一緒に回ります.

シンポジウム3日目: 9/19(金)

  • チュートリアル(2)「デジタルネイチャー化する世界と人間――数理・物理・最適化ループによるHCIの再構築」

講演者: 落合 陽一 氏 (筑波大・ピクシーダストテクノロジーズ(株))
概要: われわれの社会環境は,情報技術が空気や水のように遍在する〈デジタルネイチャー〉へと変貌を遂げつつある.そこでは,計算機が自然界の物理現象や人間の感覚・行動・価値観をリアルタイムに数理化し,物理世界との相互作用を通じて不断の最適化ループを形成する.この数理・物理・最適化の循環により,人間とコンピューター,あるいは主体と環境という従来の境界は曖昧化し,インタラクションの様相そのものが変質しつつある. 本講演では,まず「デジタルネイチャー」という概念の系譜を,メディアアートや万国博覧会における具体的な社会実装事例を交えながら俯瞰する.特に,超音波浮遊やホログラフィックディスプレイ等の「物理化された情報提示技術」がいかにインタラクション設計の枠組みを根本的に転換してきたかを示す.次に,こうした物理化技術の根底にある数理モデル化とリアルタイム最適化が,人間とコンピューターの身体的・認知的関係性を再編成し,新たなヒューマン・コンピューター・インタラクション(HCI)モデルを形成するプロセスを具体的に論じる.最後に,2025年大阪・関西万博のパビリオン事例(null²)を通じて,デジタルネイチャー化された社会環境における「人間存在」そのものの再定位について考察し,今後の展望と課題を提示する.
略歴: 筑波大学でメディア芸術を学び、東京大学大学院学際情報学府にて博士号取得。現在、筑波大学デジタルネイチャー開発研究センター長/図書館情報メディア系准教授・ピクシーダストテクノロジーズ(株)代表取締役会長CEO。 応用物理、計算機科学を専門とし、研究論文は難関国際会議Siggraphなどに複数採択される。令和7年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(理解増進部門)令和5年度科学技術分野の文部科学大臣表彰、若手科学者賞を受賞。 計算機と自然の融合を目指すデジタルネイチャー(計算機自然)を提唱し、コンピュータと非コンピュータリソースが親和することで再構築される新しい自然環境の実現や社会実装に向けた技術開発などに貢献することを目指しています。

  • 一般発表

  • スペシャルセッション

    • 若手シンポジウム20周年を記念し,これからの自然言語処理研究・技術がどう進化していくのかをテーマに、次世代を担う若手研究者たちによる特別企画セッションを開催します.多様な視点から,数年後の展望や可能性について自由に語り合います.
  • 招待ポスターセッション

    • 自然言語処理や関連分野でご活躍なさっている気鋭の若手研究者/技術者をお招きして,ポスターセッションを開催します.ご自身の研究やその研究に至るまでの経緯,またはご自身のキャリアなどの多角的な視点でお話いただく予定です.また、言語処理学会30周年記念事業として実施した留学支援を受けた方の留学報告も行う予定です.
  • スポンサーツアー